
忙しい人のためのプロジェクト管理の考え方
- 2012-03-06 Tue 09:25:49
- デザイン

フリーランスで制作だけでごはんをたべているひとのほとんどは
少なくとも2〜3件、多い時は10件以上の案件を
並行してプロジェクトをすすめているとおもいます。
新規ベンチャーな社長さんや、
ディレクションリーダーさんなんかもそうかもしれません。
今回は、どうやって複数のクライアント様との
お仕事を滞りなくすすめていくのかということを考えてみたいと思います。
課題と希望:
・各クライアント様とのやりとりのなかで決定しているスケジュールや予定に沿い、
納期を守りたい。
(もっと言えば、納期より2〜3日前にはアプローチして信用を勝ち取りたい。)
・各案件のファイルまですばやくアクセスし、いつでも取り出せるようにしたい。
・データの共有や、報告事項の共有をし、トラブルをなくしたい。
こんな風に、お客様の要望に応えられる、よい制作担当でいたいですよね。
これらを今回の課題と希望にしてみます。
役割を持っている人:
・自分(デザイナー本人・デザインなど実際に作業を行う人を中心とします。)
・クライアント様
・その他外注先など
この3つの役割を持っている1かたまりを、1つのプロジェクトと考えます。
例えば10件案件を持っている状態なら、自分は(理論的に)10人になります。
この考え方ができれば、
同じクライアント様から数件同時発注があった場合も
同時に対応できるようになります。
●全体で見通したい情報と、個別にまとめておきたい情報を分ける
コンピュータの中の「フォルダ」に、写真データも、音楽データも、一緒に入れてしまうと
あとでさがすのが面倒になったことはありませんか?
それと同じで、打ち合わせの書類や、カンプデータ、素材(仮置き素材なども含む)を
平行しているプロジェクトと混ぜてしまうと、作業効率が非常に下がります。
何度も同じデータをお客様にお願いするような事態は避けたいですよね。
しかしながら、すべてをプロジェクトとして個別に分別するよりも
全体で見通せるようにしたい情報もあります。
たとえば、スケジュールや、今日作業予定のタスクリストなどは、
大きな流れとして見渡したいもの。
これらを整理し、どうやったら見渡しがよく、検索性が高くなるのかを考えていきます。
全体として見通し、管理したいもの:
・スケジュールや納期、マイルストーン
・本日の制作タスク
・見積書や、請求書関連(経理的なもの)※
・現在動いているプロジェクトのリスト
プロジェクト個別に管理したいもの:
・プロジェクトだけのスケジュールや納期、マイルストーン
・全体タスク(完了しているタスクと、未完了のタスクが抽出できるとなお可)
・資料や書類
・画像データ
・実際に制作したデータ(制作バージョンも含む)
・メールでのやりとり情報
・担当者情報、共同制作者の情報
経理的なものの情報に関しては、プロジェクト別にも引き出したい時があるので
ちょうど中間ぐらいの感覚です。
こういったことが分けられれば、どんなソフトやツールを使っても
同じように効率よく作業をすすめられるはずです。
わたしは、Basecampを使い、ほとんどのものを管理しています。
共有もできるのですが、個人で管理するだけに留め、共有機能は使っていません。
●共有は最小限に。
データの保管場所はできるだけ簡単にわかりやすく。
複数の場所に置かない。
テクノロジーの進化でネットでのコミュニケーションがしやすくなり
データを共有するツールは増える一方です。
Basecampなどのプロジェクト管理ツールも、ウェブ上で動くものが多く
ユーザーを招待することもできます。
しかしながら、「ここにログが残っているから安心」という考えは、あまりおすすめできません。
・スカイプでボイスチャット(通話)をした際のメモ(アナログメモかもしれません)
・スカイプでインスタントメッセージで打ち合わせをした際のログ
・スカイプでグループ機能をつかったチャットでのログ
・クライアント側、もしくは制作側で用意した
プロジェクト管理ツール内のメッセージのログ
・メールでのデータのやり取りの中でのログ
・お打ち合わせでお伺いした際に発生する図案や、メモ
・お電話での打ち合わせの際に発生したメモ
・その他共有機能のついたウェブ上でのやりとりのログ
さらっと書きだすだけでもこれだけの場所にログが散らばってしまうのです。
大事な情報をすぐに取り出すには、
これらをどこか1つの場所にまとめておくことが重要です。
いろんな方法でコミュニケーションしてはいけないということではありません。
各ログを一旦コピペやスキャンなどして時系列で保存し、
あとで検索すればすぐに取り出せるような
フォルダのようなものを持っておくことが必要なのです。
また、共有されたデータというのも
・Dropboxで共有されたフォルダ
・Boxで共有されたフォルダ
・firestrageなどで送信されたデータ
・Google Docksで共有されたドキュメント
・メールで受信したデータ
と、今や共有の方法もひとつではなく、様々な選択肢があり
これらについてはできるだけの統一が必要ですが
統一ができない場合は、自分ダウンロードし、こちらも時系列で管理しておけば
いつ、どのデータが更新されたのかがわかりやすくなります。
更新の際にはメールなどで一報いれる事により
知らない間にファイルがなくなっていたなどということがなくなります。
(自動で更新情報が送信されるからといって、
この作業を滞るとコミュニケーションのずれが発生することがあります。)
スケジュールの共有などに言えることですが、
お客様側にお伝えする提出日などのスケジュールと
制作予定のスケジュールだと
日程が異なることが多いとおもいます。
提出日に間に合わせるために、早めに作業を行うからです。
しかし、この2つのスケジュールを一緒に共有してしまうと
お互いに混乱が生まれてしまいます。
見せるデータと、見せないデータをきちんと見分け、
共有機能を上手に使っていくことが大事です。
もっというと、自分のためにどこからでも
アクセスできるようにする共有(クラウド化)みたいなこともあるのですが、
ここでは触れないこととします。またどこかでお話するかもしれません。
●ポイントは、軸となるものと、役割をはっきりさせること。
現在様々なツールがあり、本当に便利になりました。
仕事の共有も簡単にできますね。
しかし、大事なのは、製作者、クライアント様、そしてチームのメンバーのこと。
プロジェクトとして別にプロジェクトリーダーがいる場合も
自分を中心としたプロジェクトの計画を立てることで見通しが立ち
作業効率がUPします。
誰が、いつ、何を行えばいいのか
それを行うために必要な情報は一体どこにあるのか。
これさえわかればいいはずなのに、
ツールの多さに溺れてしまうプロジェクトはもったいないです。
ツールをやみくもに使うのではなく、ツールの意味を理解し
適材適所につかってあげること。
メインとして使うツールを何にするのかを
プロジェクトが始まる際にチームの中で決めてしまうことで
一つの棒にくるくるとパンが巻き付くようにプロジェクトがまとまりだすはずです。
私の場合は、メールを中心にコミュニケーションを行い(公開)
Basecampに自分自身のスケジュール、
スカイプチャットやメールデータをまとめ(非公開)
DropBoxにプロジェクトごとにフォルダを作り
制作データや素材などをまとめています(非公開)
自分が効率よく作業を行えるような仕組みを構築できればいいですね。
よりよいコミュニケーションを行うために、ご参考になさってみてはいかがでしょうか。
・各クライアント様とのやりとりのなかで決定しているスケジュールや予定に沿い、
納期を守りたい。
(もっと言えば、納期より2〜3日前にはアプローチして信用を勝ち取りたい。)
・各案件のファイルまですばやくアクセスし、いつでも取り出せるようにしたい。
・データの共有や、報告事項の共有をし、トラブルをなくしたい。
こんな風に、お客様の要望に応えられる、よい制作担当でいたいですよね。
これらを今回の課題と希望にしてみます。
役割を持っている人:
・自分(デザイナー本人・デザインなど実際に作業を行う人を中心とします。)
・クライアント様
・その他外注先など
この3つの役割を持っている1かたまりを、1つのプロジェクトと考えます。
例えば10件案件を持っている状態なら、自分は(理論的に)10人になります。
この考え方ができれば、
同じクライアント様から数件同時発注があった場合も
同時に対応できるようになります。
●全体で見通したい情報と、個別にまとめておきたい情報を分ける
コンピュータの中の「フォルダ」に、写真データも、音楽データも、一緒に入れてしまうと
あとでさがすのが面倒になったことはありませんか?
それと同じで、打ち合わせの書類や、カンプデータ、素材(仮置き素材なども含む)を
平行しているプロジェクトと混ぜてしまうと、作業効率が非常に下がります。
何度も同じデータをお客様にお願いするような事態は避けたいですよね。
しかしながら、すべてをプロジェクトとして個別に分別するよりも
全体で見通せるようにしたい情報もあります。
たとえば、スケジュールや、今日作業予定のタスクリストなどは、
大きな流れとして見渡したいもの。
これらを整理し、どうやったら見渡しがよく、検索性が高くなるのかを考えていきます。
全体として見通し、管理したいもの:
・スケジュールや納期、マイルストーン
・本日の制作タスク
・見積書や、請求書関連(経理的なもの)※
・現在動いているプロジェクトのリスト
プロジェクト個別に管理したいもの:
・プロジェクトだけのスケジュールや納期、マイルストーン
・全体タスク(完了しているタスクと、未完了のタスクが抽出できるとなお可)
・資料や書類
・画像データ
・実際に制作したデータ(制作バージョンも含む)
・メールでのやりとり情報
・担当者情報、共同制作者の情報
経理的なものの情報に関しては、プロジェクト別にも引き出したい時があるので
ちょうど中間ぐらいの感覚です。
こういったことが分けられれば、どんなソフトやツールを使っても
同じように効率よく作業をすすめられるはずです。
わたしは、Basecampを使い、ほとんどのものを管理しています。
共有もできるのですが、個人で管理するだけに留め、共有機能は使っていません。
●共有は最小限に。
データの保管場所はできるだけ簡単にわかりやすく。
複数の場所に置かない。
テクノロジーの進化でネットでのコミュニケーションがしやすくなり
データを共有するツールは増える一方です。
Basecampなどのプロジェクト管理ツールも、ウェブ上で動くものが多く
ユーザーを招待することもできます。
しかしながら、「ここにログが残っているから安心」という考えは、あまりおすすめできません。
・スカイプでボイスチャット(通話)をした際のメモ(アナログメモかもしれません)
・スカイプでインスタントメッセージで打ち合わせをした際のログ
・スカイプでグループ機能をつかったチャットでのログ
・クライアント側、もしくは制作側で用意した
プロジェクト管理ツール内のメッセージのログ
・メールでのデータのやり取りの中でのログ
・お打ち合わせでお伺いした際に発生する図案や、メモ
・お電話での打ち合わせの際に発生したメモ
・その他共有機能のついたウェブ上でのやりとりのログ
さらっと書きだすだけでもこれだけの場所にログが散らばってしまうのです。
大事な情報をすぐに取り出すには、
これらをどこか1つの場所にまとめておくことが重要です。
いろんな方法でコミュニケーションしてはいけないということではありません。
各ログを一旦コピペやスキャンなどして時系列で保存し、
あとで検索すればすぐに取り出せるような
フォルダのようなものを持っておくことが必要なのです。
また、共有されたデータというのも
・Dropboxで共有されたフォルダ
・Boxで共有されたフォルダ
・firestrageなどで送信されたデータ
・Google Docksで共有されたドキュメント
・メールで受信したデータ
と、今や共有の方法もひとつではなく、様々な選択肢があり
これらについてはできるだけの統一が必要ですが
統一ができない場合は、自分ダウンロードし、こちらも時系列で管理しておけば
いつ、どのデータが更新されたのかがわかりやすくなります。
更新の際にはメールなどで一報いれる事により
知らない間にファイルがなくなっていたなどということがなくなります。
(自動で更新情報が送信されるからといって、
この作業を滞るとコミュニケーションのずれが発生することがあります。)
スケジュールの共有などに言えることですが、
お客様側にお伝えする提出日などのスケジュールと
制作予定のスケジュールだと
日程が異なることが多いとおもいます。
提出日に間に合わせるために、早めに作業を行うからです。
しかし、この2つのスケジュールを一緒に共有してしまうと
お互いに混乱が生まれてしまいます。
見せるデータと、見せないデータをきちんと見分け、
共有機能を上手に使っていくことが大事です。
もっというと、自分のためにどこからでも
アクセスできるようにする共有(クラウド化)みたいなこともあるのですが、
ここでは触れないこととします。またどこかでお話するかもしれません。
●ポイントは、軸となるものと、役割をはっきりさせること。
現在様々なツールがあり、本当に便利になりました。
仕事の共有も簡単にできますね。
しかし、大事なのは、製作者、クライアント様、そしてチームのメンバーのこと。
プロジェクトとして別にプロジェクトリーダーがいる場合も
自分を中心としたプロジェクトの計画を立てることで見通しが立ち
作業効率がUPします。
誰が、いつ、何を行えばいいのか
それを行うために必要な情報は一体どこにあるのか。
これさえわかればいいはずなのに、
ツールの多さに溺れてしまうプロジェクトはもったいないです。
ツールをやみくもに使うのではなく、ツールの意味を理解し
適材適所につかってあげること。
メインとして使うツールを何にするのかを
プロジェクトが始まる際にチームの中で決めてしまうことで
一つの棒にくるくるとパンが巻き付くようにプロジェクトがまとまりだすはずです。
私の場合は、メールを中心にコミュニケーションを行い(公開)
Basecampに自分自身のスケジュール、
スカイプチャットやメールデータをまとめ(非公開)
DropBoxにプロジェクトごとにフォルダを作り
制作データや素材などをまとめています(非公開)
自分が効率よく作業を行えるような仕組みを構築できればいいですね。
よりよいコミュニケーションを行うために、ご参考になさってみてはいかがでしょうか。
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